FX取引におけるファンダメンタルズ分析とテクニカル分析とは
FXで取引するときには、買うべきか売るべきか、いつ買うのか、どの通貨を取引するのかなど、決めなければならないことが多々あります。
それらの判断をするための手法は、大きく分けてファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つです。
それぞれの分析方法にはどのような特徴があるのでしょうか。

なぜFXでは分析が必要なのか
為替の動きは、結局のところ「上がるか下がるか」なのだから丁半博打と同じではないか、というイメージを持っている方もいるかもしれません。
実際にフィーリングで取引をして、最初のうちにある程度利益を上げることができる人もいます。
しかしそのまま運だけで、安定して資産が増え続けるということはまずありえません。
FXではレートが常に上下しています。
ポジションを持った後に予想通り動いたとしても、反転してマイナスになってしまうこともあります。
それらを全て勘だけで対処していくのは無理があるでしょう。
もちろんどれほど為替に精通していても完璧な予測は不可能です。
予測ができないからこそ、事前に分析をして予測に根拠を持ちます。
根拠のある予測を立てられれば、その根拠が崩れたときはポジションを閉じるなど、あらゆる事態に対応できるシナリオを描けるようになります。
それにより、予測のつかないFXで安定した利益を上げることができるのです。
FX取引で必須のファンダメンタルズ分析とテクニカル分析
FX取引において、ポジションをとるタイミング、閉じるタイミングなどは、ファンダメンタルズやテクニカルを元に判断します。
その他にも「買い(ロング)」か「売り(ショート)」か、どの通貨ペアにするのかなど、FX取引には判断が必要な場面が多く、決断の手掛かりとしてこれらの分析手段は必須です。
ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズ分析とは、各国における経済成長率、インフレ率、失業率などの経済指標を基に為替動向を予測する方法です。
経済動向だけではなく、要人発言、戦争やテロ、災害や季節的な要因も含め、為替相場に影響を与えうる全てが判断の要素となります。
日々公表される経済指標や要人発言、世界情勢などの情報を収集して分析し、為替の方向を見定めるのがファンダメンタルズ分析です。
米国の雇用統計という経済指標の発表前後は、為替がとても大きく動くことがあります。
雇用統計の結果のせいで為替が大きく乱高下して、FX会社によってポジションを強制的に解消されるラインに一瞬触れてしまい、大きな損失を出したということも起こり得ます。
大きなレート変動を引き起こす経済指標はある程度決まっていますので、代表的な経済指標の発表日時は把握しておきましょう。
テクニカル分析とは
テクニカル分析とは、過去の値動きや、そのサイクルに着目して動きを予測する手法です。
為替の動きをグラフ化したチャートを使います。
チャートの形はある程度類型化されており、「こういう形のチャートが現れたら上昇する可能性が高い」といった予想が可能です。
こういった複数のパターンを知っておき、パターンに沿った動きに合わせて売買していくことで予想の確度を高めていきます。
ここでは2種類のテクニカル分析について確認しておきましょう。
●トレンドを用いたテクニカル分析
テクニカル分析では、「トレンド」が重視されます。
トレンドは、トレンドの方向をわかりやすくする分析手法です。
為替の値動きは以下の3パターンに分類できます。
・小さく上下しながらゆっくりと価格を上げていく→上昇トレンド
・下げていく→下降トレンド
・小さい上下の範囲内で横に動いていく→ボックストレンド
基本的に買い取引は上昇トレンド中や、上昇トレンドの兆しがみえたときに行います。
売りは下降トレンド中に行います。
ボックストレンドでは大きな値動きがないため、次のトレンドが生まれるまで様子をみます。これがトレンドを根拠にしたテクニカル分析です。
●オシレーターを用いたテクニカル分析
「オシレーター系」は「売られすぎ」「買われすぎ」を判断するための指標です。
為替レートのチャートには、どの証券会社も「オシレーター」を表示させることができます。
オシレーターごとに使い方、判断のポイントは異なりますが、いずれも「2つのラインがクロスしたら買う」といった視覚的に判断しやすい仕組みです。
テクニカル指標は数多くあるので、自分の使いやすいものを探し、チャートと組み合わせて分析に役立てるのがいいでしょう。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらを使えばいいのか?
FXの分析方法にはファンダメンタルズとテクニカルがありますが、一体どちらを使えばいいのでしょう。
まずは直感で自分に合っていそうな方を試してみよう
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は、どちらが優れているというものではありません。
多くの投資家はどちらかをメインとしながらも、両方をうまく使って投資判断をしています。
まずはおもしろそうだなと思った分析手段をメインに、両方の基礎を勉強しましょう。
一般にファンダメンタルズは、政治経済や情報収集が好きで、要人発言や国勢状況が為替に与える影響にわくわくできる人が向いています。
テクニカルはデータを収集分析し、統計をとり、パターンを見つけ、それに当てはまるチャートを見つけ出すことが苦にならない、楽しいと思える人が向いています。
自分に合った分析手法でエントリーしよう
FX取引を行う上で事前の分析と準備は欠かせません。
それにはファンダメンタルズ分析、またはテクニカル分析、あるいは両方を用いて行う必要があります。
まずは自分にできそうだなと思える方に手を出し、あまり最初から全ての情報を分析しようと気負うことなく気軽にチャレンジしてみましょう。